掃除の基本 : 住宅用洗剤の基礎知識

2015年5月17日

住宅用洗剤の種類

住宅用洗剤は大きく「中性」「酸性」「アルカリ性」に分けることができます。

これらは水素イオン濃度によって分けられており、pH0〜14のうちpH6〜8が「中性」、それ以下が「酸性」、それ以上が「アルカリ性」となります。一般的に酸性、アルカリ性ともに中性から数値が離れる程洗浄力が高くなります。

但し、洗浄力の強さとは別に、酸性とアルカリ性という液性に応じてそれぞれ分解する汚れの種類が異なります。したがって、汚れの種類や程度によって適切な洗剤を選んで使用する必要があります。

今回の記事では、それぞれの特徴を知り、適切な洗剤選び見直しましょう。

 

中性洗剤

中性洗剤は、酸性洗剤やアルカリ性洗剤に比べると洗浄力は低いですが、様々な汚れの掃除に使用する事ができ、皮膚への刺激も比較的マイルドです。水で薄めてスポンジやぞうきんで拭き取って使います。

頻繁に使用しているものとして台所用洗剤(食器洗い用の洗剤)があげられます。食べこぼしや拭き掃除にも使えますが、泡立つので水洗いや水拭きが必要となります。また、洗剤が残ると変色やシミの原因となるので、使用後はよく洗い流すようにしましょう。

 

酸性洗剤

酸性洗剤は、頑固な汚れを酸の働きで落とす洗剤です。時間が経ってこびりついた便器の黄ばみ・黒ズミを分解したり、トイレや浴室の尿石、石けんかす、水あかなどを除去・洗浄する効果があります。そのため、酸性洗剤としてはトイレ用洗剤が最も代表的です。

使用方法としては、汚れに洗剤を直接かけてブラシなどでこすって使います。トイレットペーパー等に薬液を浸してしばらく置いて、湿布のようにして使用すると洗剤が汚れに対し薄まったり流れ落ちたりしないので効果的です。

注意点としては、使用時にゴム手袋を着用するほか、有毒ガスが発生するため塩素系漂白剤と混ぜない・一緒に使わないようにしましょう。また、使用する掃除面の素材にも留意する必要があります。

 

アルカリ性洗剤

アルカリ性洗剤は、ガスコンロや換気扇・レンジフードにこびりついて酸化した油汚れなどを分解して落とす洗剤です。キッチンの大掃除シーンなどで活躍します。

使用方法としては直接スプレーするほか、布などに浸し、掃除面に湿布して使用します。軽い汚れには水で薄めて使います。スプレーした後長時間放置したり洗剤が残ってしまうと素材を変色させたりさびが出たりする事があるので、使用後はよく洗剤分を拭きとりましょう。使用時にはゴム手袋を着用も忘れずに。

また、手あかやたばこのヤニ、軽い油あかなど、住宅全般の汚れに対応した住宅用の弱アルカリ性の洗剤もあります。中性洗剤では落ちない住宅の汚れに対して、幅広い材質に使う事のできる洗剤です。

 

 

漂白剤の種類

掃除用の漂白剤は成分漂白作用の働きから3つに分ける事ができます。

酸化剤を含む「塩素系漂白剤」「酸素系漂白剤」と還元作用のある「還元系漂白剤」です。

家庭用の漂白剤は酸化型の漂白剤です。漂白作用の他に、殺菌効果もあるので、これらの漂白剤は除菌・消臭などにも用いられます。

一方、還元型の漂白剤は市販品もありますが、クリーニングなどの業務用でも多く用いられている漂白剤です。

酸化と還元という、相反する働きで漂白をするので、「酸化型漂白剤」と「還元系漂白剤」とは併用しても漂白効果が増す事はなく、むしろお互いの働きを損なうことになります。ですが、塩素系漂白剤を使ったことで、黄ばみが生じてしまった場合、要は酸化作用により変色しているため、これを元に戻すために、還元系漂白剤を使用する場合はあります。

 

塩素系漂白剤

成分に次亜塩素酸ナトリウムを含み、いわゆる「ツン」とした臭いのする、強力な漂白剤です。シミなどだけでなく何でも漂白するくらいに強力ですので、殺菌の効果も強く、除菌・消臭にも効果があります。

酸性洗剤をはじめとした「酸」と混ぜると非常に有毒なガスを発生する点に注意する必要があり、容器に「まぜるな危険」と大きく書かれています。酸性洗剤だけでなく、クエン酸や食用酢などの酸と混ぜてもいけません。

このような点に十分に気を付けていれば、成分の次亜塩素酸ナトリウム自体はプールの消毒にも用いられている成分でもあるので、塩素系漂白剤は、漂白・殺菌等のシーンで非常に高い効果を期待できます。

 

酸素系漂白剤

酸化剤を含んだ酸化型漂白剤で、塩素系漂白剤と違い、有毒ガスを発生する事もなく、また、漂白効果も塩素系漂白剤よりマイルドです。実際に色柄物を含む衣類向けの漂白剤の多くが、この酸素系漂白剤となっています。

酸素系漂白剤には粉末と液体の物があります。粉末のものは酸化剤が過炭酸ナトリウムで、水と反応し炭酸ナトリウムと過酸化水素に分かれます。液体の方は最初から過酸化水素の水溶液です。過酸化水素の水溶液は、傷の手当などに使うオキシドールの事で聞いたことがある人の方が多いのではないでしょうか?オキシドールを使うと髪の毛の脱色できますが、これはオキシドールが髪の毛の色素を脱色する漂白剤として働いているからです。

 

還元系漂白剤

「還元系漂白剤」は酸素を除く事で漂白を行う漂白剤です。衣類の場合白物専用とされています。この漂白剤は金属のサビ落としなどが得意である特徴があります。鉄分による黄変や樹脂の変色等酸化を原因とする変色やシミにも効果を発揮します。

また、酸化型漂白剤で出来たシミや変色を落とす際にも有効に使えます。

 

 

その他の洗剤

カビ取り剤

浴室のカビを除去する専用の洗剤としてカビ取り剤があります。スプレー式(泡)やジェルタイプのものなどがありますが、いずれもカビが根深く生えた箇所に滞留しやすくするのが目的です。漂白剤を使う時のように、カビ取り剤もよく浸透させて使います。カビを取りたい箇所に、カビ取り剤の湿布をするのも効果的です。

ただし、短時間ではあまり効果がないので、カビ取り剤を噴霧ないし塗布してから1時間程度は時間を置きます。しつこいカビに対しては、二度三度と根気よく同じ作業を繰り返します。

ちなみに、市販の主要なカビ取り剤には塩素系漂白剤に含まれる成分の次亜塩素酸ナトリウムを含むものが少なくありません。そのため、使用上の注意点も塩素系漂白剤の使用上の注意と同様、酸性洗剤や多量の食用酢など酸を含むものと混ぜ合わせるのは厳禁です。動物性のハケやブラシとの接触も、塩素ガス発生の可能性につながるので使用を避けます。使用時にはしっかりと換気する事も重要です。

また、カビ取り剤は浴室の壁面や天井に噴霧・塗布して使うため、人体に対する危険性があります。カビ取り剤を使用する際には、吸引を防ぐためのマスクや目を守る為のゴーグルが欠かせない他、使用後には顔や手など露出していた皮膚を水で洗うようにしましょう。加えて、カビ取り剤の多くは強いアルカリ性で、タンパク質を溶かす性質があります。手につくと溶けてヌルヌルする場合がありますが、水でよく洗い食用酢などで中和するとおさまります。

 

研磨剤

研磨剤(クレンザー)は、食器や金属器の掃除面の汚れを研磨剤でこすり削って洗い落とす洗剤です。粉末の物と液状のものとがあります。両者の違いは主に含まれる研磨剤の割合の違いで、粉末クレンザーは研磨剤を90%ほど含んでいるのに対し、液体クレンザーでは50%前後です。

両者とも用途や成分等に大差はないですが、粉末クレンザーの方がより洗浄効果が大きく、液体クレンザーは粉末のように周りに飛散しにくい事が特徴です。注意点として、こすり削って洗うので、掃除面にキズがつく可能性があります。心配な場合は、掃除面と材質が同じで目立たない箇所で試してみるのが無難でしょう。

 

その他の洗浄剤

消毒用エタノール

ドアの取っ手や冷蔵庫などの拭き掃除に役立ちます。揮発性なので二度拭きも不要で、普段のお手入れに重宝します。

せっけん

石鹸分100%の界面活性剤のいわゆる普通のせっけん。油汚れや手あかを落とします。子供と一緒に掃除をする時などに安心です。

クエン酸・酢酸

酸性で水あかや石けんカスなどを分解する効果があります。排水口や水栓金具の水あかなど、水まわりの掃除に役立ちます。スプレーボトルに入れて常備しておくと便利です。ただし、鉄や大理石は変質する可能性があるので使用は避けましょう。

重曹

ナチュラルな掃除の必須アイテムとして人気です。薄めてスプレーボトルに入れておいて普段の拭き掃除に使えるほか、油汚れや手あか、茶渋なども落とします。また、傷がつきにくいので粉のまま振りかけてクレンザーのようにこすり洗いに使う事もできます。キッチンをはじめとする水回りの掃除の際には大活躍です。

 

 

使用時の注意点とトラブル

これまでは洗剤の効果や使用方法について述べてきました。
ここからは使用する際の注意点、何かあった際の応急処置について述べておきます。

 

注意表示

住宅用洗剤はその洗浄効果の高さゆえに、使い方を誤ると思わぬ事故を招く恐れがあります。使用の前には、仮に普段から使用しているなじみのある商品でも、表示などが変更している可能性もあるため、必ず、使用方法や使用上の注意に関する表示を読む習慣を身につけた方がいいでしょう。

もっとも注意すべきなのは、塩素系の漂白剤や洗浄剤と、酸性洗剤や食用酢など酸を含むものとを混ぜ合わせる事による有毒ガスの発生です。住宅用洗剤容器に表示されている注意表示なども確認しながら、正しい使い方を心がけましょう。

 

応急処置

住宅用洗剤の使用時には、思わぬミス・手違いで危険に直面する事も考えられます。そうした際、「今、自分が使用している洗剤はどのようなもの」か知っている事は、応急処置のスピードや的確さにつながります。

あらかじめ危険を回避するだけでなく、起きてしまった危険に対処するためにも、先ほども書きましたが、洗剤を使用する前に、その使用方法・注意表示などを確認する習慣を身につけたいものです。

 

トラブル別の応急処置方法

まぜてしまった・刺激臭を感じた場合

換気をよくし、その場を離れて下さい。
臭いがなくなるまで入らないようにし、臭いがとれたら、十分に水洗いしましょう。

目に入った場合

絶対にこすらないでください。流水で15分以上洗い流し、その後、失明の危険性もある為眼科を必ず受診しましょう。

飲んでしまった場合

すぐに吐き出すのではなく、口をゆすいだあと、牛乳か水を飲んでください。その後病院を受診しましょう。

皮膚についた場合

水ですぐに洗い流しましょう。あとが残ったりした場合は皮膚科を受診しましょう。

使用中に気分が悪くなった場合

使用をやめてその場を離れましょう。その後、手洗い・洗顔・うがいなどをしましょう。


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